今更だけど君の名は。を見てきた 二人の距離感と最後、登山シーン、時間軸についてなど
タイトル通り今更ながら「君の名は。」を見てきました。
変な批判とかはする気は一切なく、印象に残ったシーンとか時間の考察とか自分の書きたいことを書いていこうと思います。
ネタバレしかないので見ていない人はブラウザバックしてください。
最後の二人の出会い
いきなり最後について書きます。
瀧と三葉は東京で出会うのですがあのシーンでいろいろと救われた気がしました。
三葉が生き残ってくれたのはうれしい、でも瀧と三葉はこのままこの世界でお互いを知らないままずっと過ごしていくって流れもあり得ると思ってしまいました。
それが、最後の方で電車で互いを認識して坂道で出会うってシーン。
多分瀧も三葉も坂道で名前は知らない、存在も何かわからない、でも会わなくちゃいけなかった人に会えたって感じが伝わってきました。
そのあと、瀧は階段を上って、三葉は下っていってすれ違う。
この時に「あれ、このまま、何事もないんじゃ・・・」っていう不安が頭をよぎりました。
せっかく会えたのにどう接していいかわからない二人がそのまま去っていく、これもまた美しいっていえば美しいかもしれません。
でも、自分が見たかったのはそんなんじゃない!!ここで、やるせない気持ちになりたくない!!って思った矢先に瀧が三葉に語りかけたのは本当にかっこよかったです。
新海誠監督の作品は二人の距離感っていうのが作品に入っていると思うのですがティアマト彗星衝突の際に一気に近づいた二人がどんどん遠ざかって行って正直悲しさもありました。
それが最後の方で一気に近づいて、しかもそれが現実っていうのはやっぱり良いです。
終盤は瀧視点で三葉が「三葉っぽい女性」って感じに描かれていたのも夢の中でしか会えない人というか現実では決して交わらなかったはずの人みたいな印象を受けて二人が坂道で出会う前のこのようなシーンまた良かったです。
「私達は会えば絶対すぐわかる」っていうセリフを綺麗に回収してくれました。
時間軸と世界線について
時間をさかのぼって誰かを助けるっていうのは最近といか2000年代に入ってからアニメで一気に増えた気がします。
でもそれってだれか一方が時間をループしたり遡っていることを知っていてもう一人(一人とは限りませんが)はそのことを知らないってパターンが多いのですが君の名は。瀧が時間をさかのぼって三葉もそれが何か知っていました。
この辺りがちょっとだけ新鮮でした。そして二人の特別感も際立っています。(自分があまり他の作品を知っていないだけかもしれませんが)
時間軸について
でも、自分が何とも言えない気持ちになったのはそのタイムトラベルではなく、二人が繋がっていたと思っていた時間軸がずれていた事でした。
同じ時間で繋がっていたのならもしかすると会えるかもしれない、って感じもしますが二人が入れ替わっていた時間軸がずれているってなると急に会えない感じがしてなりませんでした。
おまけに入れ替わりがなくなって糸守が滅んだことを瀧が知って携帯の三葉のメールが文字化け→消えて瀧から三葉の記憶が無くなって、という流れの空しさはすごかったです。
一応今回の時間軸を記憶を頼りにまとめてみました↑
字が果てしなく汚いのですがパソコンで描くと疲れるので手書きで。
こうやって見ると二人がつながった起点が良くわからなくて考察ではなくどういうことなのかだけまとめます。
二人がつながる理由を
三葉が瀧に組紐を渡す
→それがきっかけで二人は夢の中でつながる
→だから入れ替わったりする
→三葉が気になった瀧に会いに行く
と自分は解釈しました。
でも「三葉が気になった瀧に会いに行く」から「三葉が瀧に組紐を渡す」ことになったので
三葉が気になった瀧に会いに行く
→三葉が瀧に組紐を渡す
というつながりができます。
そうなると鶏が先か、卵が先か、のように二人が本当に最初につながるきっかけがちょっとわかりませんでした。
この辺りはDVDが発売されたら借りたりひょっとしたら買ってみてどういうことなのか検証とかしてみたいです。
一応、三葉は東京のイケメンに生まれ変わりたいと言っていたので死んでしまった後に生まれ変わりでないにせよ意識だけはランダムの中で瀧に入り込んだという可能性も無いことはないのですが、、、
それと携帯を結構見ていたと思うのですが3年間のズレについて彼らは疑問点とかなかったのでしょうか。
多分、携帯のメモが急に消えたのでそのあたりはうまく辻褄が合っていて瀧が糸守が滅んでいたことを知ってズレが浮きだってしまったなどこの辺りもいろいろ解釈はあると思います。
世界線とセカイ系について
あと世界線についてですが瀧が三葉に会いに行いこうとして飛騨を訪れた時に糸守がティアマト彗星の衝突で滅んだことを知りました。
その後、宮水の御神体にて彗星が衝突する前に戻るのですがこれはあくまで瀧が戻っただけです。
セカイ系+タイムトラベルのアニメではこれはしょうがない事なのかもしれませんがそのあと瀧が戻った世界線はどうなったのか非常に気になりました。
だって瀧が戻ったとしても元いた世界はそのまま回り続けます。
糸守がそもそも滅んでいない世界は瀧がタイムトラベルをしたから出来たわけで滅んでいる世界はそのままなのか、そもそも瀧は滅んだ世界か滅んでいない世界かどっちに行ったのかという疑問が次々湧いてきました。
あと、瀧は御神体の山で三葉に会ったのですが東京では多分3年前の瀧がいると思います。二人の瀧は同時に存在しているのかなども気になりました。
登山シーンの美しさよ
自分は昔少し登山を齧っていたのですが君の名も登山というかハイキングのシーンが御神体関連で出てきました。
登山をしていると中腹は気が生い茂っていて正直、辛いです。岩もごつごつしていますし。
でも途中から森林限界を超えて低い木か草しか生えていない場所が出ます。
森林限界を超えた先はすごい開けた世界で幻想的、雄大、開放的、などいろいろな感覚を味わうことができるのですがそのあたりがすっごく綺麗に描かれていました。
個人的には彗星単体よりも山あたりのシーンに加えての彗星の映像美がとても印象に残りました。
それに御神体のクレーターの景色も果てしなく幻想的です。
こういう映像を観れて本当によかったと思いました。
それと登山をする際の三葉というか瀧のタフさも気になりました。
瀧は運動神経が良さそうに描かれていましたがそれにしても
・三葉の体で祖母(一葉)をおんぶ
・夜になりかけているのに頂上を目指す
・自転車で坂道
など結構むちゃをしています。
こればかりは登山道次第なのですが森林限界を超えるのは日本というか飛騨の緯度では標高2200~2500mのイメージなのでやっぱり体力はあるんだなと思いました。
でも、入れ替わっている時に三葉の体で登山するのは多分三葉は後日とんでもない筋肉痛とかに襲われそうでした。人格は入れ替わっても筋力とかは三葉のままだと思うので。
最初の隕石のティアマト彗星の片割れ
ティアマト彗星が君の名は。に大きく関わってきますがこの彗星は物語の冒頭で出てきました。
彗星の断片が三葉のいる糸守に落下するシーンは物語の一番最初と中盤にありました。
その落下するシーンは冒頭では何なのかわからないのですが途中から糸守を滅ぼした災害だと知ります。
そんな恐怖を覚えるティアマト彗星ですがこれも美しい、幻想的って感じでした。
アニメでしか表現できない光というか彗星と周りの景色があって恐ろしい災害だと知ったとしても見入ってしまいます。
ティアマト彗星の片割れが赤くなっているのも本来だったら恐怖しかないかもしれませんが君の名は。の代表的で象徴的な映像でしょう。
しかも彗星落下の際のRADのBGMも相まってこれから糸守が滅ぶかもしれないという、でも彗星の美しさに目を引かれてしまうって感じがしました。
「夢のようにただひたすらに美しかった」というのはこの後の三葉の死も絡んでくるかもしれないのですが本当にこの通りの映像でした。
そして、
・瀧が糸守が水生の被災地だったこと
・犠牲者の一覧に三葉があったこと
を知ったところの急降下で一気に自分は引き込まれました。
イケメンと美少女でしか成り立たないじゃん(`Д´)
変な批判はしないと書きましたがこれだけは書きたいです。
多分君の名は。登場人物が爽やかイケメンと素朴だけど芯がしっかりしているな美少女
でしか成り立たないと思うのでもしも瀧が非イケメン、三葉が非美少女の世界を勝手に想像します。
瀧が非イケメン
三葉がいきなり東京に行こうとしないかも→組紐を渡さない
入れ替わっても体を触ろうとしないかも
三葉が非美少女
瀧が会いに行こうとしないかも→御神体に行かない→糸守は救われない
入れ替わりが起こらなくても放置する、下手したら安心するかもしれない
こんな感じかもしれません!!
別に二人とも面食いとは限らないので入れ替わったという特別な運命を感じて互いに好きになっていく可能性も十分考えられます。
そもそも好きになっていなくても瀧は入れ替わらないことが気になって飛騨に行くのかもしれません。
でも三葉も東京のイケメンに生まれ変わりたいという願望だったり瀧は瀧でバイト先の美人に惚れ込んだりとどうしても二人があの容姿でなかったら・・・という想像をしてしまいました(笑)
君の名は。を観てみて まとめ
以上が自分が特に印象に残ったことや気になったことでした。
君の名は。は直感的に楽しもうってスタイルで観ましたが多分これは正解です。
やっぱり圧倒的な映像の細かさや美しさ、音楽の盛り上がりは単純に観ていて気分が高揚しました。
そして瀧と三葉の切ない距離感も終盤で感じつつも二人がしっかりと互いを認識してくれて本当によかったです。
最後の方のシーンだけでも見返したいと思いました。
ひょっとしたらこの世界ではまだ見てい、会っていないけれども特別な人がいるんじゃないのか、みたいなそういう切なさとか期待とかを感じさせてくれました。