フルーツの種子を植えて芽が出たのに実がならない・・・ 雑種弱性や雑種致死、雑種強勢の面白い話
昔、夏みかんを食べた時に取り出した種子を何を思ったのか庭に埋めました。
そうするとなんと、芽が出たのです!!
最初はびっくりしたのですがその後、気になることがあったので思い出しながらその内容について書いていこうと思います。
芽が出て成長
芽が出たので黒ポットに移して経過を観察していました。
ちなみにこの時出てきた芽は2つです。
なので二つの黒ポットを用意しました。
1年もたたないうちに大きくなったので次は鉢植えに移しました。
やはり、黒ポットのままだと
・根が十分に張れない
・栄養が少ない(枯渇しやすい)
という問題点もあります。
そうやって1年が過ぎたころにはミカンの木っぽい葉も十分につけていました。
10年経っても実はならない
実はミカンの樹はなんだかんだ言って祖母の家に置くことになりました。
最近は訳有ってその樹は無くなってしまったのですが10年経ってもとうとう実を付けずにいました。
良く売られている夏ミカンの樹なんてもっと小さくても実がなったのに不思議に思っていましたが大学に進学してからある可能性を知ることがありました。
雑種弱性
雑種の中には特定の組み合わせで雑種が致死、または継体栽培することで繁殖能力が著しく低下する現象が珍しくないです。
雑種(ここでは雑種第一世代・F1品種)致死というのはその最たる例の一つで雑種の時点で発芽しない・発芽しても枯死してしまうなんていうことが起きてしまったりします。
自分の夏ミカンは雑種致死ではなさそうですがおそらく雑種弱性ではないかなぁと今になって思います。
雑種弱性によって繁殖能力が低下→実ができない→種子ができないという現象が起こってしまったのではないかと考えてしまいました。
ただ、実証するには親品種をあれこれしなければいけないですし、そもそもその夏ミカンの樹はもうないので今となっては真相は不明です。
なぜ雑種なのか 雑種強勢について
ここまで自分は何の疑問も無く雑種雑種と言っていましたがどうしてそう思ったかというといろんな野菜・果物の品種は結構ある品種を掛け合わせた雑種であることが多いです。
ある固定された品種と別の固定された品種を掛け合わせてできたものを雑種第一世代=F1品種と言います。
雑種の凄いところは両親のいいところを受け継いでいる可能性が高く、例えば味はいいけれども病気・害虫に弱いのが母方、味はいまいちだけれども抵抗力は凄いという父方の品種があったとするとその子供(F1品種)は両親のいいとこどりとして生まれる可能性が高いです。
つまり、強くておいしい品種となるのです。
ただしF2以降は特性がばらばらとなってしまうのでF1品種は親品種からしか作ることができません。
種苗会社が作っている種子も基本的にはF1品種が主力だったりします。
以上昔を思い出しつつ植物の雑種についての個人的に面白いと思った話でした。
おまけ スイカの実が小さい!?
自分はスイカの種を植えて芽が出た!!みたいなことも経験しました。
こちらは花をつけて実もちゃんとなったのですがその実がとても小さい・・・
実はスイカの場合はある程度育ったツルを他の植物の根+茎の一部分を残した台木というものにつけないといけません。
ただ、当時の自分にそんな知識があるはずもなく結局そのスイカは中途半端なつる植物となって終わってしまいました・・・